相続放棄・遺言書作成・遺産分割協議書作成

[相続放棄]
 被相続人(資産所有者)が死亡すると同時に、資産(土地・家屋、金銭等)は、相続人に法律上引き継がれる。しかし、相続される資産は、資産のみならず同時に借金等の負債も相続される。
法律は、相続財産の負債が資産を上回る場合やその惧れがある場合は、法律上、相続人となる者は、相続を受けないことを選択することが出来ます(民法第938条〜第940条)。又、相続放棄の主張は、資産の相続の意思がない場合も自由に相続の権利を放棄することが出来る。但し、この主張は、他の相続人の遺産の分割の利害に関わることから、その主張を明確にするために相続の開始があったっことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる(申述)する必要があります(民法第915条)。
[遺言書の作成]
 
両親が長年努力して働き、自宅としての土地・建物及び幾分の預貯金を保有するに至ったが、将来、この財産を子供たちに如何に公平に相続させるかは面倒な問題であることから、つい伸び伸びになってしまいます。しかし、自分たちの死後に、仲良く育てた子供たちが遺産の分割で仲違いすることは不幸なことです。そのような事態にならないように、両親としては自分たちに十分な気力と判断力があるうちに遺言書の作成をしておくことが望まれます。遺言書には、次の方式があり、それぞれの得失があることから、遺言書を作成する者の状況に応じて選択することが出来ます。遺言書は、相続の持分を決定する重要な書類であることから、専門家である行政書士等に相談することをお薦めします。
(遺言書の種類)
 @自筆証書遺言 A公正証書遺言 B秘密証書遺言

      自筆証書遺言   公正証書遺言   秘密証書遺言
式          本人が遺言状を書き、日付、氏名を自署して押印する。

 本人、立会人2名
が公証役場に赴き、
遺言内容を説明して
証人が遺言状を作成する。

 本人が遺言状を作成して、
封筒に入れて封印したものを証人2名と共に公証役場に赴き、
公証人がその封筒に日付を書き、押印して完成する。              


 

証人     不要     2名      2名
作成者     本人    公証人  本人自筆が良
印鑑       認印で可  本人実印(印鑑証明書)
 証人実印(印鑑証明書添付)
 本人が遺言状に押印した印鑑
 証人 認印で可
家裁検認     必要    不要     必要
得失  簡単に作成できて、
遺言の秘密も保持できる。
遺言の存在の有無が不明確で要件不備によるトラブルの惧れあり。
 要件不備によるトラブルの惧れなく、
遺言状の1通を公証役場が保管する。
 遺言の存在を明らかにして、その内容の秘密が保持できる。
要件の不備によるトラブルの惧れあり。




[遺産分割協議書]
  
被相続人が遺言書を作成しないで相続が起きたときは、相続人(相続放棄者を除く)は、遺産分割を協議して遺産分割を決定し、その内容を文書にして、各相続人は署名して実印(印鑑証明書添付)を押す。
(遺産分割協議書作成の目的)
1.相続税の申告
  相続税の申告書に「遺産分割協議書」(印鑑証明書)を添付しないと配偶者等に対する法定相
  続分までの相続に付いての税額減免の措置が受けられない。
2.相続登記
  不動産の相続登記を行うときに「遺産分割協議書」添付を要する。

3.預貯金の名義変更
  「遺産分割協議書」の提示が求められる。

[遺産分割協議書]事例

 遺産分割協議書

 平成21年9月13日佐藤一郎の死亡により開始した相続につき、共同相続人である私共は、下記のとおり相続財産について遺産分割し、各相続人がこれを取得することに決定した。

          記
1.相続人 佐藤太郎、佐藤理枝は次の不動産をそれぞれ以下の割合で取得する。
 (1)東京都豊島区東池袋3−10−2  宅地  190.60u

 (2)同所同番地所在 家屋番号 5番5号  木造瓦葺3階建居                   
        床面積      1階  45.25 u 2階 30.55u
        佐藤太郎    持分3分の2
        佐藤理枝    持分3分の1
2.相続人 佐藤理枝は○○銀行○○支店の被相続人名義の預金250万円を取得する。

3.相続人 佐藤太郎は○○銀行○○支店の被相続人の借入金150万円を承継する。
4.相続人 佐藤太郎は家の祭祀を承継する。

本協議書に記載なき遺産及び後日判明した遺産は、相続人佐藤太郎が承継する。

上記のとおり協議が成立したので、これを証するため、本書を2通作成し、署名、押印の上それぞれ1通を所持する。

   平成20年10月1日
                 東京都豊島区東池袋3丁目2番地1号
                 相続人     佐藤太郎    印
           
                 香川県丸亀市津ノ森町1314番地
                 相続人     佐藤理枝    印